RAID

RAID(Redundant Array of Independent Disks)はハードディスクの信頼性を向上させるための技術です。安価なハードディスクを冗長構成にすることで、全体の信頼性を低コストで向上させます。なお、RAIDにはRAID 0〜RAIND 6の7つの段階があります。

RAIDの各段階の特徴

段階 信頼性 台数 ディスク利用効率 計算速度 入出力効率 備考
RAID 0 2台〜 100% - よく利用される
RAID 1 2台 50% - よく利用される
RAID 2 最高 5台〜 とても低い 最低 実用性なし
RAID 3 3台〜 66%〜 -
RAID 4 3台〜 66%〜 -
RAID 5 3台〜 66%〜 よく利用される
RAID 6 4台〜 50%〜 よく利用される

RAID 0(ストライピング)

データを複数のディスクに分散配置することで、高速な読み書きを可能にします。

<<利点>>
  • 高速に読み書きできます。
  • ディスクの使用効率が高いです。
<<欠点>>
  • 1台のディスクの故障で読み書きができなkなるため、全体として信頼性が下がります。

RAID 1(ミラーリング)

2台のディスクに同じデータを書き込む方式です。

<<利点>>
  • 1台のディスクが故障しても、もう1台のディスクで処理を継続できます。
<<欠点>>
  • 実質的な記憶容量がディスク1台分であり、ディスクの使用効率が低いです。

RAID 2

ハミングコードによるエラー訂正データにより、ディスクが2台同時に故障してもデータを復元できる方式です。

<<利点>>
  • RAID中で耐障害性が最高です。
<<欠点>>
  • ハミングコードを必要とするほどディスクの信頼性が低くないため、実用性がなく、製品が市販されていません。
  • ハミングコードの計算コストが莫大です。
  • エラー訂正データの量が多く、ディスク使用効率が悪いです。

RAID 3

パリティビットによるエラー訂正データにより、ディスクが1台故障してもデータを復元できる方式です。なお、ディスクへのアクセスはビット/バイト単位で行います。

<<利点>>
  • パリティビットを用いるため、RAID 2に比べて計算コストが低いです。
  • 実質的な記憶容量が『ディスク台数-1』であり、ディスクの利用効率が高いです。
<<欠点>>
  • ビット/バイト単位でディスクにアクセスするため、入出力効率が悪いです。
  • パリティディスクへの書き込み処理がボトルネックになります。

RAID 4

パリティビットによるエラー訂正データにより、ディスクが1台故障してもデータを復元できる方式です。なお、ディスクへのアクセスはブロック単位で行います。

<<利点>>
  • ブロック単位でディスクにアクセスするため、入出力効率が良いです。
  • パリティビットを用いるため、RAID 2に比べて計算コストが低いです。
  • 実質的な記憶容量が『ディスク台数-1』であり、ディスクの利用効率が高いです。
<<欠点>>

RAID 5

パリティビットによるエラー訂正データを、複数のディスクに分散配置する方式です。

<<利点>>
<<欠点>>
  • パリティビットの生成により、書き込み速度が低下します。ちなみに、高価格帯製品ではキャッシュにより書き込み速度の低下を吸収します。

RAID 6

パリティビットによるエラー訂正データを2種類作成し、複数のディスクに分散配置する方式です。

<<利点>>
  • RAID 3RAID 4のような、パリティディスクの書き込み処理でのボトルネックがありません。
  • 読み出し処理が高速です。
  • 1台のドライブが故障してもRAID 5並の信頼性を保ったまま処理を継続できます。
<<欠点>>
  • 初期投資が大きくなります。
  • パリティビットを二重に生成するため、RAID 5よりさらに書き込み速度が低下します。